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■ 並んで見上げたあの空に 4

 シロさん、と呼ぶ声に顔を上げると、予想以上に必死な顔がシロを見つめていた。

「俺、今すごく盛ってる。だから優しくできないかもしれない。ごめん」

 ごめん、と言う割に許しを乞う姿勢は少しも見当たらなくて、むしろ許さなければこのまま犯すとで、p言いたげな態度にほんの少しだけ笑えた。どっちに転んでも犯されるのには変わりがない。

「いーよ。ユキの好きにしなよ」

 諦念が混じらないように気をつけながらそう言うと、ユキはほっとした顔をしてそっとキスを仕掛けてきた。
 押し倒されて、ぽすん、という布団の空気の抜ける軽い音が耳を打つ。口を塞いで唇を割り開いた舌がシロの舌を絡め取って引っ張り出す。軽く吸われただけでもさすがホワイトタイガーなだけあって、頭がぼうっとするほど強く感じられた。

「ふ、……っん……」

 生温かい舌が半分ほど侵入してきて、ぬるぬると舌にこすりつけられる。つかみ所のない感覚に興奮を誘われて、シロはとろんと口を開いてユキのされるがままになった。
 熱い唇が顎から首筋へと降りて行き、濡れた舌がつうっと胸元を舐める。

「んっ……ぁ……ぅ」

 舌で突起を押され、転がされるだけでそこはぷくっと膨れ上がる。ユキの前髪がぱさりと鎖骨をくすぐり、それに反応したシロの喉奥から上ずった声が弱々しく漏れ出した。

「やばいね……シロさんすごくエロい顔してるよ…」

 シロの顔を覗き込んできてそう言うユキの方が余程いやらしい笑みを浮かべていて、エロい顔してるのはどっちだよとシロは毒づく。
 それを笑ってかわして、ユキは股間に手を伸ばす。いきなり陰茎を撫でられて、シロは息が止まりそうになった。

「………っは、……ぁ、あぁ……っ…」

 衝撃をなんとか乗り越えて肩で息をするシロを愛おしくて仕方ないといった目で見つめて、ユキはその頬にキスを落とす。涙に目を潤ませるシロに優しく微笑んで、ユキは勃起をきゅうきゅうと握る。それだけでシロのペニスはびくびくと反応し、先走りがだらだらと零れた。

「気持ちいい?もっとして欲しい?」

 唾液に濡れた赤いユキの舌がシロの半開きの唇をぺろりと舐める。言葉に詰まって涙目でそっぽを向いたシロの身体をたどって、頬から首筋、鎖骨から胸、肋骨から腰へと唇を落としていく。そしてそのまま、ユキはぬるんとシロのペニスを舐めた。

「ちょ、……ユキ、やめ……っ!」

 股間から頭を剥がそうとするシロの手を煩わしそうに振り払って、ユキは唾液に濡れた舌で性器を器用に転がす。舌腹で先端をぴったりと包み込んで、絶妙な愛撫を加えた。

「やっ……ぅ、……ぁ、あ……」

 強烈すぎる快感に貫かれて、シロの性器がビクつく。先端からたらたらと吐き出されるカウパーも飲み込んで、暴れるシロの脚をユキの手が簡単に押さえ込む。先端をくわえるユキの口から溢れた唾液が尻の方まで垂れるのを、膝裏から回ったユキの指が拾って尻の穴に塗り込んだ。
 そのまま指先を軽く含まされて、シロの身体が強張る。ユキの唾液が狭い中で空気と混ぜられてぐちょぐちょと音を立てるのが恥ずかしくてたまらない。中を掻き回す濡れた音から逃れようと、シロは目蓋の上に腕を乗せる。後はもうひたすら耐えようと決めたシロだったが、ある一点を押された瞬間に腰ががくんと突き上がった。

「っひ、……ぁ、っ、……やあぁ……!」

「見つけたよ、シロさん……シロさんのイイトコ」

 歓びを隠しきれないユキの声の合間に、シロの今にも泣き出しそうな上ずった声が反響する。
 挿入された中指にごりごりと膨らみを弄られる刺激に、シロの横隔膜が震える。身も世もなく喘がされた挙句に、シロは時が止まったかのような絶頂に放り出された。とろとろと精を吐き出し続けるシロのペニスをユキはねっとりと舐め回して、最後にちゅっと残った精液を吸い出した。

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